22歳独身女性行政書士補助者の出会いがない憂い

いまでも思い出すよ。君のことを。
そう心の中で呟いた。
思い出すよ、どころか、思い出さずにはいられないのだ。

付き合ってきた様々なものは、別れた途端に傷になる。

私は二歳年下の男と付き合っていた。三浦春馬に似ている綺麗な人で性格もよかった。
とても尽くしてくれた。
会社まで迎えに来てくれて、家まで車で送ってくれた。

私は行政書士補助者、という行政書士の先生のパシリみたいな仕事をしている。
心身ともにハードだし給料も安いし、サービス残業当たり前。
築地に事務所はあって、オフィス街だ。

彼が尽くしてくれることは当たり前だと思っていた。
でも、そうじゃなかった。
別れてから彼のありがたみを知った。支えを知った。でも、それはもうない。

ただ記憶は残る。
彼がいつも会社が終わるときに待っていてくれた、駐車の場所。

そこにいけば彼がいた。でも、もうそれはない。そんな夢のような、出会いがない。

出会いがないと思うとき、どんな出会いを頭に思い描いているのだろうか?

きっと、どの女性も同じだと思う。似たようなことだ。
それぞれ自分の理想の出会いがある。それは好きな芸能人だったり、片思い中の誰かだったり、
もしくは、未練がある別れた男だったり。

だから出会いがないと自分のファンタジーの中に引きこもっている間は、永遠に
出会いがないだろう。そう思う。

でも人間って難しい。

頭ではわかっているのに、答えはでているのに。
心がそれについていかないことってあるよね。

会社に行くまでに必ず彼の車が停まっていた場所を通らないといけない。

私をみると嬉しそうに笑って、

「けいちゃんは忙しいから、こうでもしないと会えないもんね。どうすれば会えるか考えたんだよ。
そしたら俺が毎日迎えにいけば良いってことに気付いたんだ」

そんな可愛いことをいってくれていた恋人は、もういない。

存在を証明するのは、その人の不在だ。